「今の会社で、このままルーティンワークを続けていて良いのだろうか?」
もしあなたが法務の実務経験を数年持っているなら、今こそ市場価値を確かめるチャンスです。
現在の転職市場において、即戦力の法務経験者は**「圧倒的な売り手市場」**です。
コンプライアンス重視の潮流や、IPOを目指すベンチャーの増加により、優秀な法務担当者はどの企業も喉から手が出るほど欲しい存在だからです。
では、数あるオファーの中から、年収アップや理想の環境を勝ち取るにはどうすればよいでしょうか。
1. 「専門性」か「マネジメント」か、方向性を決める

キャリアの分岐点はここにあります。
マネジメント層に近い存在として応募したい場合には、最低限の経営学(マネジメント)は学習しておいたほうが良いでしょう。
それぞれの道で求められるスキルや業務内容を対比表にまとめました。ご自身の志向がどちらに近いか、整理する際にお使いください。
【キャリア分岐点】「スペシャリスト」vs「ジェネラリスト・マネジメント」
経験年数が3〜5年を超えると、漠然と何でもやる段階から、強みを明確にする段階へと移行します。
| 比較項目 | ① スペシャリスト(特定分野を極める職人) | ② ジェネラリスト・マネジメント(組織を率いる経営幹部) |
| 重視する価値 | 【深さ】 「この分野なら誰にも負けない」という専門性の高さ。 | 【広さと視座】 法務全体を俯瞰し、ビジネスを加速させるための組織作りと判断力。 |
| 具体的な業務例 | ・知財法務:特許戦略、模倣品対策 ・国際法務:英文契約、GDPR対応、海外子会社管理 ・IT法務:利用規約策定、資金決済法対応 | ・組織構築:採用、メンバー育成、評価制度の設計 ・経営会議:役員への法的リスク報告、経営判断のサポート ・プロジェクト:IPO準備、M&A後の統合(PMI)統括 |
| 求められる資質 | ・最新の法改正や判例を追い続ける探究心 ・難解な法的論点を解き明かす論理的思考力 | ・経営層や他部署を巻き込むコミュニケーション力 ・法務以外の数値(予算・人員)を管理する能力 |
| 目指すキャリア | シニアカウンセル、専門弁護士 (現場の第一線で活躍し続ける) | CLO(最高法務責任者)、法務部長 (経営ボードメンバー入りを目指す) |
キャリア戦略のアドバイス
- スペシャリストを目指すなら:今の会社でその分野の案件が少ない場合、その分野に強い事業会社(例:知財ならメーカー、IT法務ならメガベンチャー)への転職が有効です。
- マネジメント層を目指すなら:法務がいないベンチャー企業へ転職することが有効です。経営層に近い立ち位置で経験を重ねることで、自然と経営者的マインドが頭にインストールされてきます。
2. 職務経歴書での差別化

多くの経験者が陥るミスが、「契約審査業務:月30通」とだけ書いてしまうことです。これではその他大勢に埋もれてしまいます。 高年収を狙うなら、**「経営にインパクトを与えたプロジェクト経験」**を厚く記載してください。
「作業をした」のではなく「プロジェクトを成功させた」実績こそが、あなたの年収を押し上げる最大の武器になります。
法務経験者が転職活動を行う際、職務経歴書で最も差がつくのが**「ルーティンワーク(作業)」を書くか、「プロジェクト(実績)」**を書くか、という点です。
【具体例】年収が変わる。「作業報告」vs「プロジェクト実績」の書き方
単に「経験がある」だけでなく、その経験を通じて**「会社にどのような利益(またはリスク回避)をもたらしたか」**を具体的に記載することが、差別化の決定打になります。
| プロジェクト | × 埋もれてしまう書き方(単なる作業リスト) | 〇 年収アップを狙える書き方(経営へのインパクト・主導権) |
| ① IPO(株式上場) 準備フェーズ | 「上場審査の質問対応を行いました」 (事実のみ。誰かの指示で動いたように見える) | 「上場審査対応プロジェクトを主導」 証券会社・東証からの計500問以上の質問回答を統括。関連部署を巻き込んで期日内に回答を完遂し、予定通りのスケジュールでの上場承認獲得に貢献。 |
| ② グローバル展開 (海外契約) | 「英文契約書のレビュー経験あり」 (レベル感が不明。翻訳ソフト頼みかもしれない) | 「海外新規事業における契約交渉」 米国企業との提携契約において、現地の法律事務所と連携してドラフト修正を担当。特に知財条項における不利な条件を覆し、自社技術を保護した状態での締結を実現。 |
| ③ M&A・組織再編 (買収・PMI) | 「DD(デューデリジェンス)資料の準備」 (アシスタント業務の印象。受け身に見える) | 「買収案件(5億円規模)の法務DDを統括」 対象企業の潜在的な未払い残業代リスク(約〇千万円)を発見し、株式譲渡価格の減額交渉に用いる法的根拠を提示。M&Aの成功とコスト適正化に貢献。 |
書き方のポイント
企業法務の求人は、経営戦略に直結するため8割以上が「非公開」と言われています。
求人サイトを眺めるだけでは、好条件の案件やIPO準備中のベンチャー求人には出会えません。
理想のキャリアを掴むには、法務・管理部門に特化したエージェントへの登録が必須です。
まずは無料相談で、非公開求人の紹介を受け、あなたの「現在の市場価値」と「適正年収」を把握することから始めましょう。



