【弁護士解説】「法律に詳しい」だけでは通用しない。求人市場で市場価値を上げる「4つの必須スキル」

alt="法務パーソンのキャリアアップと「T型人材」への進化を表すイラスト。中央の巨大な「T」字型の柱は、縦軸が「法務スキル」(契約審査、企業法務の専門性)を、翼のような横軸が「ビジネスリテラシー」「プロジェクトマネジメント」の幅広い知識を象徴している。スーツを着た男性(弁護士/法務担当者)が「キャリアアップ」の階段を上り、その先には「スタートアップ」ロケットが上昇し、「年収アップ」の雲から金貨が降り注いでいる。下部には「T型人材への進化」「法務スキル×ビジネス力で掴む未来」というキャッチコピーがあり、専門性とビジネス力を兼ね備えることの重要性を表現している。" ベンチャー法務とは
弁護士町田北斗

ベンチャー起業の法務を専門とし、社内弁護士として企業の成長を法的側面から支えています。
当サイトでは、単なる事務処理ではない「経営に貢献できる法務」になるための実務ノウハウを公開。
契約書審査からIPO準備、労務戦略まで、現場で本当に役立つ「攻めと守りのリーガルビジネスマインド」をお伝えします。

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「弁護士資格を持っています」 「大企業で契約書を1,000通レビューしました」

これらは素晴らしい実績ですが、ベンチャー企業の採用面接では、これだけでは「即戦力」とみなされないことがあります。
なぜなら、ベンチャー企業が法務に求めているのは、法律の知識ではなく、**法律を使ってビジネスを前に進める技術(Skill)**だからです。

今回は、法務担当者がキャリアアップし、CFOやCLO(最高法務責任者)を目指すために必須となる「4つのスキルセット」について解説します。


1. 守備範囲の広い「T型」の法的知識

大企業や大手法律事務所では、「M&A専門」「労働法専門」といったスペシャリストが重宝されます(I型人材)。 しかし、リソースの限られたベンチャーでは、1人で全方位のボールを拾わなければなりません。求められるのは、広く浅い知識をベースに、特定の得意分野を持つ**「T型人材」**のスキルです。

  • 横軸(広さ): 契約、労務、商標、機関法務(株主総会)、個人情報保護法など、企業法務全般について「どこに地雷があるか」を感知できるセンサー。
  • 縦軸(深さ): 「IT業界の著作権なら誰にも負けない」「IPO準備の実務には精通している」という、自分の武器となる専門性。

「専門外なので分かりません」とは言わず、**「専門外ですが、調べて当たりをつけておきました(必要なら外部専門家につなぎます)」**と言えるハンドリング能力が必須です。

「専門外」を禁句にする。ベンチャー流「T型人材」のスキル構造

大企業では「餅は餅屋」ですが、ベンチャーでは**「餅もつくし、米も研ぐし、販売戦略も練る」**のが法務の仕事です。

「それは私の担当ではありません」と言った瞬間、ベンチャーにおけるあなたの価値はゼロになります。

比較項目① 大企業の「I型人材」(一点突破のスペシャリスト)② ベンチャーの「T型人材」(広角打法のゼネラリスト+武器)現場での振る舞い・発言の違い(なぜベンチャー向きか)
知識の範囲
(守備範囲)
「狭く、深く」
労働法なら労働法だけ、M&AならM&Aだけを極める。隣の部署の法律(知財など)は管轄外。
「広く、浅く + 一点豪華」
契約、労務、総務、登記など全方位を70点でこなしつつ、自社のコア領域(例:IT法務)だけは120点を叩き出す。
【地雷の早期発見】
専門外であっても「ここにリスクがありそうだ」という**嗅覚(センサー)が働くため、大事故になる前に外部専門家に相談できる。
未知の案件
(未経験ゾーン)
「専門外なので分かりません」
※自分の専門領域外の仕事は断るか、専門部署に回す(縦割り行政)。
「専門外ですが、調べがつきました」
※まずは自分でリサーチして「当たり(一次回答)」を出し、最終確認だけ顧問弁護士に投げることでコストを削減する。
【ワンストップ対応】
「法務に聞けばとりあえず何とかしてくれる」という安心感が、社内のハブとしての地位を確立する。
専門性(武器)
(縦の深さ)
「法分野ごとの専門性」
例:独占禁止法のプロ、特許法のプロ。
「事業フェーズや業界の専門性」
例:「SaaSビジネスの勘所なら誰にも負けない」「IPO審査の回答実務なら任せろ」という実務直結の武器**。
【事業貢献度】
法律の知識だけでなく、「このビジネスをどう伸ばすか」という文脈で専門知識を使える。
外部連携
(弁護士の使い方)
「丸投げ」
※予算が潤沢なので、少しでも難しい案件はすぐに高い弁護士に依頼する。
「交通整理(トリアージ)」
※自分で論点を整理し、「ここだけ教えてください」とピンポイントで依頼することで、弁護士費用を最小限に抑える。
【コスト感覚】
法務知識が乏しいと弁護士にカモにされるが、T型人材は対等に会話ができるため、無駄な相談料を使わない。

あなたの「T」を作る要素(具体例)

これからベンチャー法務を目指すなら、以下の構成でスキルセットを組むのが理想です。

1. 横軸(広さ):必須の「基礎教養」

※ここは「60点〜70点」でOK。地雷を踏まないレベルを目指す。

  • 契約法務: 秘密保持、業務委託、売買契約のレビュー。
  • 労務管理: 36協定、未払い残業、ハラスメント対応。
  • 機関法務: 株主総会・取締役会の運営、議事録作成。
  • コンプラ: 個人情報保護法、下請法、景品表示法。

2. 縦軸(深さ):自分だけの「必殺技」

※ここは「100点以上」を目指す。自社の業種に合わせて磨く。

  • IT・Web系なら: 著作権法、プロバイダ責任制限法、利用規約のUI設計。
  • Fintech系なら: 資金決済法、金商法、犯収法。
  • IPO準備中なら: 上場審査基準、内部統制(J-SOX)、証券会社対応。

結論:

ベンチャー法務は、「何でも知っている人」である必要はありません。

**「何が分からないかを知っていて、必要な時に答えに辿り着けるルートを持っている人」**であれば、それで十分「T型人材」として機能します。

2. 難解な法律を翻訳する「ビジネス翻訳力」

経営陣や営業担当者は、法律の素人です。彼らに向かって「民法第〇条の規定により~」と説明しても、誰も聞いてくれません。 ベンチャー法務に必要なのは、「法的なリスク」を「ビジネスの言葉」に翻訳するスキルです。

  • Bad(法律用語): 「この条項は管轄合意が専属的合意管轄裁判所となっていないため、訴訟リスクがあります」
  • Good(ビジネス用語): 「もし揉めた時、わざわざ相手の本社がある北海道まで行って裁判しないといけなくなります。往復の交通費と時間が無駄なので、東京で裁判できるように書き換えましょう」

相手が「なるほど、それは損だ(得だ)」と直感的に理解できる言葉を選べるか。これが法務の社内プレゼンスを左右します。

「適法か違法か」ではなく「損か得か」で語れ

法務の言葉が現場に響かないのは、主語が「法律(六法全書)」だからです。

主語を**「会社のお金(PL/BS)」や「社員の手間(工数)」**に変換した瞬間、あなたの言葉は最強の説得力を持ちます。

シチュエーション・契約条項① 誰も聞かない「法律用語」(Bad / 評論家)② 即決させる「ビジネス用語」(Good / 翻訳家)翻訳のロジック(相手の脳内変換)
裁判管轄
(トラブル時の場所)
「専属的合意管轄が相手方本店所在地(大阪)になっています。民事訴訟法上、不利です」
※「だから何?」と思われてスルーされる。
「もし裁判になったら、毎回大阪まで新幹線で行くことになります。往復3万円×回数分の経費と、移動時間が無駄なので東京に変えます」
※抽象的な「不利」を、具体的な**「コスト(金と時間)の損失」**に変換する。
【コスト感覚】
「法律論」には興味がないが、「無駄な経費」には敏感に反応する。
損害賠償
(賠償額の上限)
「賠償額の上限規定がありません。債務不履行責任が無制限に発生するリスクがあります」
※「まあ、うちはミスしないから大丈夫」と根拠のない自信で押し切られる。
「上限がないと、100万円の案件で1億円請求される可能性があります。ミス一発で会社が倒産しますが、このリスク取りますか?」
※「リスク」という言葉を**「倒産(即死)」**という具体的な最悪の結末に置き換える。
【B/Sへの影響】
会社の存続に関わると認識させ、経営判断のレベルを引き上げる。
知的財産権
(成果物の帰属)
「著作権法第27条および28条の権利も含めて譲渡しないと、二次的著作物の利用ができません」
※条文番号を出した瞬間に、相手は思考停止する。
「この権利をもらっておかないと、将来このシステムを改良したり、他社に横展開して売ることができなくなります(使い捨てになります)」
※**「将来の売上(スケーラビリティ)」**が消えることを示唆する。
【将来利益】
権利の問題ではなく、「商売の広がり」の問題として認識させる。
契約の自動更新
(解約ルール)
「自動更新条項があり、解約予告期間が3ヶ月前となっています」
※ふーんで終わる。
「これ、解約を忘れると『来年も絶対にお金を払う』ゾンビ契約になりますよ。解約期限をカレンダーに入れておかないと無駄金が出ます」
※**「解約忘れ=キャッシュの流出」**という実務上の痛みをイメージさせる。
【固定費削減】
サブスク地獄(払い損)への嫌悪感を刺激し、管理の必要性を説く。
秘密保持
(ノウハウ流出)
「不正競争防止法上の営業秘密として管理する必要があります」
※面倒くさいと思われる。
「このタレのレシピが漏れたら、明日からライバル店も同じ味を出せます。うちの強みがゼロになりますが、いいですか?」
※**「競争優位性(飯の種)」**が失われる恐怖を伝える。
【競合対策】
法律を守るためではなく、「ライバルに勝つため」に守るのだと動機づける。

コツは「主語の変換」

  • × 「法律ではこうなっています」
  • ○ 「社長、これを飲むと〇〇万円損します」

この変換ができる法務担当者は、経営会議で「ちょっと、通訳として来てくれ」と呼ばれ、頼りにされるようになります。

法務の専門性は「守り」のために使い、コミュニケーションは「攻め(ビジネス)」の言語で行う。これがベンチャー法務の流儀です。

3. 事業の解像度を高める「ビジネス・リテラシー」

「ビジネスモデルを理解していない法務」は、現場からすると「邪魔者」でしかありません。 適切な契約審査やリスク判断を行うためには、法務スキル以前に、自社のビジネスへの深い理解が必要です。

  • マネタイズの構造: どこで課金し、原価はいくらか?(Unit Economics)
  • 業界の慣習: この業界では「検収払い」が当たり前か、「前払い」が可能か?
  • KPI(重要業績評価指標): 今、会社は「売上」を追っているのか、「利益」を重視しているのか?

**「PL(損益計算書)が読める法務」**になりましょう。 数字への理解があれば、「今は赤字でもシェアを取るフェーズだから、この程度のリスクは許容して契約を結ぶべきだ」という、経営レベルの判断ができるようになります。

「六法」を捨てよ、「決算書」を読め。法務のビジネス解像度

「法的に正しいか」だけで判断すると、ビジネスとしては「不正解(赤字)」になることがあります。

優れた法務は、**「1顧客あたりの採算性)」や「会社のフェーズ(今何を追っているか)」**を理解した上で、リスクの許容範囲を変動させます。

ビジネス要素・視点① 商売下手な「法務バカ」(PLが読めない / 現場の敵)② 商売上手な「経営パートナー」(PLが読める / 現場の味方)判断のロジック(数字の裏付け)
マネタイズ構造
(LTVとコスト)
「月額5,000円のSaaS契約ですが、相手の要望に合わせて契約書を修正・レビューしました」
※弁護士費用や自分の人件費(数万円)をかけると、契約した時点で赤字になることに気づいていない。
「月額5,000円なら修正対応は不可です。利用規約への『同意』のみで一本化しましょう」
※獲得コスト(CAC)がLTV(生涯顧客価値)を超えないよう、**「あえてレビューしない」**という判断を下す。
1件の契約にかかる「法務コスト」を原価として認識し、利益が出る仕組みを守る。
業界の商慣習
(キャッシュフロー)
「前払いはリスクがあるので、検収後の翌月末払いに変更させてください」
※マニュアル通りの安全策を主張し、広告枠やライセンスの買い付けに失敗する。
「広告業界なら前払いは常識ですね。キャッシュフローは少し痛みますが、その分ディスカウントを5%引き出せるならGOです」
※リスク(現金の先出し)とリターン(原価低減)を天秤にかけ、**「金利」**の感覚で決済する。
【商流の理解】
「業界の常識」を知らないと、トンチンカンな修正依頼を出して、取引先から素人扱いされる。
KPI(フェーズ)
(売上 vs 利益)
「この新規事業は赤字リスクがあり、回収計画も甘いため承認できません」
※平時の感覚で「黒字化」を求めてブレーキを踏む。
「今は『Jカーブ(先行投資)』の時期ですね。赤字でも『シェアNo.1』を取ることが最優先なので、法務もリスク許容度を最大まで上げます」
※今、会社が欲しいのは「利益」ではなく**「成長率(トップライン)」**であることを理解して後押しする。
【経営戦略との同期】
「今は守る時か、攻める時か」という経営のモードに合わせて、審査基準(アクセルの踏み具合)を切り替える。
原価意識
(Time is Money)
「念のため、この条項について専門家の意見を聞いてから回答します(1週間後)」
※時間を浪費することが、最大のコストであるという意識がない。
「この程度の論点なら、時間をかける方が損失です。私が責任を持ちますから、今すぐ回答して受注してください」
※機会損失コストを計算し、**「拙速(60点で即決)」**の価値を選ぶ。
【機会損失の回避】
ベンチャーにおいて、1週間の停滞は、競合に顧客を奪われる(売上ゼロになる)ことを意味する。

法務担当者が覚えるべき「共通言語」

経営会議で発言権を持ちたいなら、以下の言葉を使いこなす必要があります。

  • 「違法です」 ではなく 「レピュテーションリスク等のコストが、想定利益を上回ります」
  • 「契約できません」 ではなく 「この条件だとLTV(採算)が合いません」
  • 「安全第一です」 ではなく 「今はバーンレート(現金の燃焼)を抑えるフェーズなので、保守的に行きます」

法律用語ではなく、**「お金の言葉」**で語れるようになった時、あなたは初めて経営者と対等なパートナーになれます。

4. 答えのない問いを進める「プロジェクトマネジメント力」

IPO準備、M&A、新法への対応、紛争対応。 これらはすべて「プロジェクト」です。 ベンチャー法務には、単に相談を待つだけでなく、自らゴールを設定し、タスクを分解し、関係者を巻き込んで推進するプロジェクトマネジメント(PM)スキルが求められます。

  • スケジュールの逆算: 「上場申請がN月だから、規程の整備はN-3ヶ月までに完了させる」
  • タスクの割り振り: 「この部分は人事に、ここは開発部に依頼する」
  • 進捗管理: 遅れているタスクがあれば、お尻を叩いて回る。

「法務」というよりは**「法務プロジェクトのプロデューサー」**として動ける人材は、どの企業に行っても重宝されます。

「法務」という枠を超えろ。プロジェクトを完遂する「PMスキル」

法知識があっても、**「段取り」が悪ければ仕事は進みません。

ベンチャー法務に求められるのは、ゴールから逆算して、他部署(人事、経理、開発)を動かし、期限通りに完了させる「推進力」**です。

プロジェクト・業務① 受け身の「タスクワーカー」(言われたことだけやる / 進行遅延)② 主導する「プロジェクトマネージャー」(全体を動かす / 納期必達)PMとしての動き・価値(プロデューサー視点)
IPO準備
(規程・予実管理)
「依頼された『反社チェック規程』のドラフトを作りました。次はどうすればいいですか?」
※自分のタスクが終わったら、次の指示があるまで待ちぼうけする。
「上場申請がN月なので、逆算すると今月中に全社運用のテストが必要です。営業部長、来週までにフロー図を提出してください」
※ゴール(上場日)から逆算したガントチャートを引き、他部署の尻を叩いて回る。
【クリティカルパスの管理】
「ここが遅れると全体が止まる」という急所を把握し、ボトルネック(忙しい営業部長など)を先回りして解消する。
M&A / DD対応
(買収・出資)
「相手先から送られてきた契約書をレビューしました。修正案を送ります」
※目の前の書類を見るだけ。デューデリジェンス(DD)全体の進捗には関知しない。
「DDの回答期限は金曜です。人事と経理の回答がまだなので、私が未回答リストを作って催促します。VDR(資料室)のアクセス権限も整理しました」
※膨大な質問回答タスクを**「可視化」**し、落ちているボールを拾いに行く。
【情報の交通整理】
社内外の大量の情報を整理整頓し、経営陣が意思決定しやすい状態(ダッシュボード)を常に維持する。
新法対応
(法改正プロジェクト)
「来月から改正法が施行されます。周知メールを送ったので、あとは現場の対応待ちです」
※「伝えたから自分の仕事は終わり」と考え、現場が動いていなくても放置する。
「法改正に伴い、システム改修が必要です。開発部と要件定義のMTGをセットしました。リリース判定会議まで私が進行します」
※「法律を守る」というゴールのためなら、システム開発のPMも兼任して現場を巻き込む。
【他部署への翻訳と依頼】
「法律が変わる」ではなく「画面のここを変えてほしい」と、具体的なアクション(ToDo)に分解して渡す。
紛争・訴訟対応
(トラブルシューティング)
「弁護士の先生からの連絡待ちです。まだ回答が来ないので動けません」
※外部専門家に依存し、主体性を失う。
「弁護士費用を抑えるため、時系列表と証拠LINEのスクショをこちらで整理しました。先生には『法的構成』だけお願いしましょう」
※弁護士は「ツール」として使いこなし、自らが**事件解決のシナリオライター**となる。
【コストと質のコントロール】
丸投げせずに下準備を完璧に行うことで、弁護士のパフォーマンスを最大化し、かつ費用を削減する。

必要なのは「WBS(タスク分解)」のスキル

PM型法務ができる人は、漠然とした「IPO準備」という言葉を使いません。

それを100個の具体的なタスク(WBS)に分解します。

  1. 分解する: 「IPO準備」⇒「規程作成」「労務監査」「予実管理」…
  2. 割り振る: 「規程は自分」「労務は人事部長」「予実はCFO」
  3. 期限を切る: 「いつまでにやりますか?」ではなく**「この日までに必要です」**と言い切る。

【表:PM型法務による「IPO準備」のWBS(タスク分解)実例】

カテゴリ(大項目)分解されたタスク(中項目)具体的アクション・完了条件担当(誰が)期限(いつまでに)
規程整備
(内部統制)
職務権限規程の改定現状の「なあなあ決裁」を廃止し、**「金額ごとの決裁者」を定義して取締役会で承認を得る。法務(自分)ショートレビュー開始の3週間前まで**に施行
労務監査
(簿外債務解消)
未払い残業代の精算過去2年分の勤怠データを再計算し、対象者と**「合意書」**を締結の上、支払いを完了させる。人事部長
(法務は監修)
今月末日の給与振込日までに着金させる
反社チェック
(コンプラ)
取引先スクリーニング全取引先・株主について記事検索ツールで照会し、「懸念なし」の証跡をファイル化する。営業部長
(法務がツール提供)
来週水曜 17:00(定例会議で報告)
契約管理
(法務DD対応)
チェンジオブコントロール条項の確認締結済み契約書を全て洗い出し、上場(株主変更)により解除リスクがある契約をリスト化する。法務(自分)明日中にリスト作成完了
予実管理
(事業計画)
予算統制ルールの運用現場が予算外の経費を使う際に、事後報告ではなく**「事前稟議」**を通すフローを徹底させる。CFO
(法務はフロー設計)
**来期初日(4/1)**より完全移行

まとめ:スキルは「掛け算」で価値が出る

これら4つのスキルをすべて完璧に持っている人は稀です。 しかし、意識して伸ばすことは可能です。

  • 「法律知識」×「ビジネス翻訳力」 = 現場から頼られる相談役
  • 「法律知識」×「プロジェクトマネジメント」 = IPOやM&Aを成功させる参謀

あなたは今、どのスキルを持っていますか?
そして、次にどのスキルを手に入れれば、市場価値が跳ね上がるでしょうか。
ベンチャー企業は、走りながらこれらのスキルを身につけるための、最高の「学び舎」です。

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